その他(一覧には表示されません)2025-06-10
身体拘束ゼロのための指針
医療法人志水クリニック デイケア志水
身体拘束ゼロのための指針
-1-デイケア志水における身体拘束ゼロに関する基本的考え方
当デイケアは、開設以来一度も拘束をしたことの無い事業所としての誇りを持って、身体拘束は利用者の生活の自由を制限するものであり、利用者の尊厳ある生活を阻むものという意識のもと、今後も拘束ゼロの取り組みに努めます。
-2- 緊急・やむを得ない場合の例外三原則
①切迫性:利用者本人又は、他の利用者等の生命又は身体が危険にさらされる緊急性が著しく高いこと。
②非代替性:身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替法がないこと。
③一時性:身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること。
以上の3つの要素の全てを満たす状態にある場合は、必要最低限の身体拘束を行う可能性 もあり得ます。
-3- デイケア内で発生した緊急やむを得ず拘束する場合の手順・対応・対策及び報告
方法について
当デイケアの「虐待防止のための指針」によって適切に対応及び対策を行う。
-4- 委員会について
身体拘束ゼロのための対策を検討する虐待防止委員会を設置する。委員会の役割として
①高齢者虐待・身体的拘束・権利擁護等に関する規程及びマニュアル等の見直し。
②身体拘束を実施せざるを得ない場合の検討及び手続。
③身体拘束を実施した場合、適正に行われているかの確認と解除の検討。
④高齢者虐待防止・身体拘束ゼロ・権利擁護等に関する職員全体への啓発。
⑤教育研修の企画・実施。
-5- 職員研修について
身体拘束ゼロと人権を尊重したケアの実施のための研修会を年1回以上開催する。
新規採用時には、必ず研修を行う。
その他必要な教育・研修の実施。
-6- その他身体拘束ゼロの推進のための考え方について
身体拘束ゼロを維持・継続していくためには、
施設サービス提供に関わる全ての職員で身体拘束の弊害を正確に認識することが大切である。
身体拘束がもたらす多くの弊害
身体的弊害:身体拘束は、まず次のような身体的弊害をもたらす。
①本人の関節の拘縮、筋力の低下といった身体機能の低下や圧迫部位の褥瘡の発生などの外的弊害をもたらす。
②食欲の低下、心肺機能や感染症への抵抗力の低下などの内的弊害をもたらす。
③車椅子に拘束しているケースでは無理な立ち上がりによる転倒事故、
ベッド柵のケースでは乗り越えによる転落事故、
さらには抑制具による窒息等の大事故を発生させる危険性すらある。
このように、本来のケアにおいて追求されるべき「高齢者の機能回復」
という目標とまさに正反対の結果を招くおそれがある。
精神的弊害:身体拘束は精神的にも大きな弊害をもたらす。
①本人に不安や怒り、屈辱、あきらめといった大きな精神的苦痛を与え、そして人間としての尊厳を侵す。
②身体拘束によって、痴呆がさらに進行し、せん妄の頻発をもたらすおそれもある。
③また、本人の家族にも大きな精神的苦痛を与える。自らの親や配偶者が拘束されている姿を見たとき、
混乱し、後悔し、そして罪悪感にさいなまされる家族は多い。
④さらに、看護・介護スタッフも、自らが行うケアに対して誇りを持てなくなり、
安易な拘束が 士気の低下を招く。
社会的弊害:こうした身体拘束の弊害は、社会的にも大きな問題を含んでいる。
身体拘束は、 看護・介護スタッフ自身の士気の低下を招くばかりか、
介護保険施設等に対する社会的な不信、偏見を引き起こす恐れがある。
そして、身体拘束による高齢者の身体機能の低下はその人QOLを低下させるのみでなく、
さらなる医療的処置を生じさせ経済的にも少なからぬ影響をもたらす。
令和3年6月10日より実施