デイケア志水2022-12-01
今年も残すところ 1 ヶ月。街はすっかりクリスマス一色で、一段と華やかに色付いていますね。 気持ちの良い小春日和も過ぎ去り、いよいよ本格的な冬の到来です。 12 月のイベントといえば、クリスマス以外に忘年会があります。今の忘年会は飲んで騒いで というイメージがありますが、その起源は今のイメージとは少し違うことをご存知でしょうか? 忘年会は日本独特の行事で、鎌倉時代に行われていた「としわすれ」という行事が起源だと 言われています。「としわすれ」というのは、鎌倉時代の上流階級の人たちが、複数人で夜通し 和歌を詠む行事のことを言います。しかも、単に和歌を詠むだけではなく、複数人で繋げて 詠んで行く「連歌」という内容でした。ちなみに「連歌」と言うのは、まず始めの人が 五・七・五で歌を詠み、その次の人が七・七で続き、さらにその次の人が五・七・五で歌を詠み、 という流れで順々に続けるというものになります。これを 100 句になるまで延々と行います。 しかも、同じ言葉を使ってはいけないなど、さまざまな制約がある中で和歌を詠んでいきます。 今と違って暖房器具も揃っていないでしょうから、12 月で、しかも夜に詠むとなると、かなり 寒い中で和歌を詠み続けなければいけません。これを風流と言えば風流なのかもしれませんが、 なかなか厳しい環境での行事ですね。明らかに、今の忘年会のような、ワイワイガヤガヤしてる 飲み会とは程遠い内容です。 今のようなスタイルの忘年会になったのは、江戸時代に入ってからになります。というのも、 このようなスタイルで宴会を行ったのは庶民のほうで、1年間の苦労を労ったり忘れたりする ために開催していました。逆に江戸時代の武士は忘年会を行わずに、新年に新たな気持ちで主君に 忠誠を誓うということで、新年会を大事に行っていました。ただ、この新年会も今の忘年会の ようにお酒を飲んで騒ぐような会ではありませんでした。 忘年会が一般に定着したのは明治時代で、お金を持った官僚たちや、年末に田舎に帰省しない 学生たちの集まりが年末に忘年会を始め、だんだんと世間に広まっていき、当たり前の行事として 定着していきました。ちなみに、夏目漱石の著書で有名な「吾輩は猫である」に「忘年会」という 言葉が普通に注釈もなく書かれていましたので、そのころには忘年会という言葉は世間一般に 知られていたと考えて問題ないでしょう。 デイケア志水ではデイケア忘年会を企画しております。忘年会といっても、飲んで騒いでという 内容ではなく、スタッフが出し物をやるという内容です。12 月末頃に予定しておりますので、 楽しみにしていてくださいね。 寒い日が続きますが、あわただしい年の暮れ、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。 山本 一弘